平成24年11月 海外研修『北欧デザインに触れる旅』
日 時 | 平成24年11月7日(水) ~ 15日(木) 7泊9日 |
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場 所 | デンマーク&フィンランド |
参加人数 | 7名 ( 会員 5名 : 会員外 2名 ) |

海外研修
2年に1度の海外研修。今回は、インテリアデザインの国、北欧、デンマーク、フィンランドの2カ国に絞って訪問した。 北欧は、もともと日照時間が少ないことから、部屋の中でも楽しめるようにお洒落な家具、照明などが生みだされたということであるがまさに、両国とも国全体が穏かで、心和む空間が多かったように感じる。
特に驚いたのは、夜になってもカーテンを閉めない習慣があり、皆、人目を気にしないとのこと。集合住宅を見学した際も、10部屋中9部屋はカーテンを閉めずに、室内のお洒落な家具や照明を見てほしいかのようにどの部屋も、インテリア雑誌に掲載されているような空間が多かった。
デンマーク

デンマークでは、3泊し、アルネ・ヤコブセンの建築、インテリアに触れた。まずは、ベルビュービーチのガソリンスタンドや、ベラヴィスタ集合住宅を視察した。集合住宅は高級住宅地にあり、どの部屋からも海が見えるように設計されており、外と中との繋がりを重視されていた。
お住まいのマダムも大変お洒落なおばあちゃまで、家族の写真がところどころに飾ってあったり、絵画が空間に溶け込むかのように飾ってあったりと、まさに生活を楽しんでおられる様子がすごく伝わってきた。室内の造作家具もヤコブセンの設計であり、実用的で機能的に造られていた。
その他、世界遺産のクロンボー城、ルイジアナ美術館を訪れた。ルイジアナ美術館の庭は、太陽の動きを1年かけて研究して造られたとのことで、海との繋がりがまた格別であった。
また、オードルップゴー美術館、グルントゥーヴィークス教会も見学、さらには最近デンマークで著名若手の建築集団BIGの集合住宅も行程表には無かったが、こちらからの突然のリクエストにも関わらずガイドさんが快く案内してくれた。
フィンランド

フィンランドでは4泊し、アルバー・アアルトの建築、インテリアに触れた。マイレア邸、アアルトの自邸、アアルトのスタジオ、パイニオサナトリウム(病院、昔は結核患者専用の病院)ヘルシンキ工科大学は全てアアルトの設計で、どの建物も曲線美と直線美がほどよく調和しており、特にマイレア邸では、日本の障子や欄間を参考にしたデザインの部屋もあった。
パイミオサナトリウムでは、結核患者に配慮し、埃が飛び散らないように、そして生花の花粉なども患者に入らないようガラス貼りになっていたり、太陽の光が部屋の奥まで入り込むよう設計されていたり、本当に、細部にわたり、使い手の事を真剣に考えて造ってあった。
建築の他にももちろん、マリメッコやアラビアの専門店にも行き、雑貨も日本の半額ほどで購入でき、大変満足した。
感想
2ケ国に絞ったおかげで、時間にゆとりができ、ゆっくりと建築を見たりショッピングができたので身体への負担が軽かった。また北欧デザインはシンプルな中にも実用的で、時には斬新なデザインも空間に溶け込む、そのテクニックを今後仕事や生活の中でもこの体験を生かして行きたいと感じた。

( 宮原 記 )